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アンティーク SPNに天然エメラルド.ダイヤの帯留め
大正から昭和初期のものでしょう。
見事な帯留めです。
ヌメっとした金属の質感、そしてギリシア彫刻のような凝った彫りから、刻印を確認するまではホワイトゴールド製かと思っていました。
意外にも刻印は SPN、サンプラチナという合金でございました。
センターは天然ダイヤモンド、横に並ぶ淡グリーンは天然エメラルドと、貴重な天然石をふんだんに使っています。
エメラルドは淡色ながら傷や不純物が見られない綺麗な石で、合金の装飾品に、こんなにたくさんの天然エメラルドが使われる事はかなり珍しいのではないかと思います。
エメラルドとともに注目すべきは金工の凝ったつくりです。一見だけではわからないかもしれませんが、横長フレームに載せるように、宝石と装飾部が一段高さを出してつけられています。この作りが、精緻な飾り彫りにいっそうの深い印影を与えています。
機材の限界からお伝えできないのが残念なのですが、
驚くほど精緻な彫りがほどこされています。
画像をぜひ注視してください。ギリシャ風の月桂樹、菊のような葉っぱ。小さな円に芝桜のような花も見えますね。
さらには全ての輪郭に微細なミルが打たれているのに、びっくりです。
本体を横や裏にしてマウントを観察すると、何層、何パーツも部品を手作業でろう付けしているのがよく分かります。サンプラチナは、金やプラチナの代用のような位置づけの合金ですが、このように丁寧につくられたものがあることは驚きです。もしかすると、戦中の金の流通統制など、製作時の事情を反映しているのかもしれません。
SPN刻印の他にもうひとつ刻印がありますが、潰れてしまい判読できません。製造元の刻印かなと思っていますがわからなくて残念です。購入された方、良かったらお楽しみでしらべてみてくださいね。
横6.5センチ、幅1.4センチ、
合金、天然ダイヤモンド、天然エメラルド
刻印SPN、さらにひとつ判読できない刻印あり。
三分紐用。
一部にロウ付け部の変色、腐食がありますが、全体の美観に影響ありません。アンティークとしてはかなり美しいお品です。